TOP > 不倫の内容証明
内容証明郵便とは、手紙の一種であり、差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書に書かれた記載内容などについて、郵便事業株式会社(通称: 日本郵便)が証明してくれる制度のことをいいます。
・いつ発送したか
・誰が差出人か
・受取人はだれか
・どのような内容が書いてあるか
内容証明の効力というのは、あくまで「手紙」であり、時効の援用や中断などのような「一方的な意思表示」によって生じる場合を除き、原則として、法的な効力を持つものでは有りません。
ただし、意思表示が到達したことの証拠となる重要なものであり、何よりも、「精神的プレッシャーを与える」ということが最大の効力となります。
内容証明であるということよりも、どのような内容をそのどうに記載するか、という文章力が何よりも重要なのです。
事案に応じて、最適な文面内容の記載をすることで、裁判や示談交渉などの法的な紛争に発展させずに事案を解決に導けることが多くあります。
内容証明には、所定の決まりがあります。
1ページあたりの行数や、1行あたりの文字数、使用できる文字の種類、複数ページの場合の割印、などなど。
所定の通知書面以外、資料や写真その他の書類などは同封することが出来ません。
また、差出人や受取人の住所氏名を明記して同一文書を3部(送付先+2部)作成し、宛名を記載した封筒とともに窓口で依頼し、認証司のチェックを受けなければなりません。
内容証明に付加して利用出来るサービスには、速達郵便や本人限定郵便、配達日指定、配達証明、引受時刻証明、などがあります。
紛争の事前防止や一定の法律効果の発生の為に利用されることが一般的であり、配達された日(相手が受け取った日)が重要な意味を持つので、通常は「配達証明」というオプションを付けて発送します。
不倫した配偶者の浮気相手に内容証明を送る場合、請求することが出来る項目・出来ない項目としては、以下のようなものがあります。
慰謝料、弁護士費用、探偵費用、精神科入通院費、不倫交際費、妊娠中絶費、転居や退職
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慰謝料慰謝料の金額に決まりはありませんので、原則として、請求する金額そのものは自由です。 しかし、当事者間で合意が得られない場合、最終的には、裁判によって決する他ありません。 裁判の場合には、仮に当事者が納得しなくても、双方の意思とは無関係に、不倫の期間や頻度、家族構成、結婚年数、知り合った経緯や社会的立場、その他の様々な客観的事実や証拠に基づき、裁判官が決定することになります。 一般には慰謝料100万〜300万が多いですが、数十万とか500万などの裁判例もあります。 |
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弁護士費用ただし全額ではなく認定された慰謝料金額の10%程度というのが大半です。 【最高裁判所昭和44年2月27日判決要旨】 不法行為によって自己の権利を侵害された者が自己の権利を擁護するためにやむなく訴を提起する場合で、訴訟追行を弁護士に委任したときは、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。 |
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探偵費用また、費やした探偵費用が慰謝料の算定において考慮される場合もあるようです。 |
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精神科など通院費なお、発覚後にも離婚するように執拗に脅したり嫌がらせを重ねていた等の特別な事情があれば、その請求が裁判で認められる可能性はあります。 |
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交際費などまた、金銭の支出をした本人であっても、特段の事情が無い限り、原則として「履行済みの贈与」となるため、返還請求することは認められません。 |
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妊娠中絶費不倫によって妊娠中絶をした場合、レイプなどの強制でない限り、当事者の合意によって生じた結果ですので、診療費や中絶手術費用などは、当事者どちらが負担することも自由ですが、裁判で争った場合、原則として、不倫した当事者双方が折半して責任を負う、ということなります。 |
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退職や転居訴訟外において、そのような要求をすることは自由ですが、法的には、退職や転居を要求する権利はありませんし、強制する術もありませんので、裁判において認められる可能性はほとんどありません。 |
協議が決裂したり、相手が要求に応じない場合、弁護士に依頼して示談交渉してもらうか、または裁判等の法的手続きをしてもらうことになります。
そうなると、多大な費用や時間の負担が生じます。
紛争に発展させずに和解に応じさせるためには、高度な文章テクニックを要します。
人を納得させるには、法令上の条文や判例などの根拠を示して「論理」に訴え掛けることと、被害状況や具体的な苦痛などの心情を記して「感情」に訴えかけることの、2つの要素があります。
出来る限りは、意識して2つの要素をバランス良く取り入れて作成することが、和解を図る上では、とても重要なポイントとなります。