不倫の心理学

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不倫の心理学

不倫の心理学 なぜ不倫をしてしまったのか、なぜ不倫をされてしまったのか、関係の清算や再発予防のためには、どのような措置を講じたら良いのか、等、不倫問題を解決するにあたり、最低限、知っておいた方が良いであろう心理学的な知識、研究調査データ、などを解説します。

普段、「私は浮気なんて気にしない」等と言っている方でも、バリバリ仕事をこなして逞しく生活をしている方であっても、いざ、パートナーが不倫をしている事実を知ると、尋常では無いほどのショックを受けてパニックに陥り、正気でいられなくなってしまうケースが大半です。
そのため、話が支離滅裂になったり、日によって意見が二転三転と変わってしまうことも良くあります。
なかには、精神科や心療内科に通院し、睡眠薬(誘眠導入剤)や抗うつ剤を服用する方も多くいます。
そして、「不倫に気づかなかった間ずっと、信用していた人間から騙され、裏切り続けられていたのだ」という思いから人間不信や疑心暗鬼になることも決して珍しくありませんし、なかには、自分がいけないのだとの自責の念に苦しみ、自傷行為や自殺未遂を図ってしまうような方もいます。

しかし、物事には必ず原因があります。
結婚していたとしても、他の人を好きになることはあり得ますが、誰もが、不倫という行動に走る訳ではありません。
刺激や性的快楽を求めて浮気するというタイプは実は極めて少数であり、不倫する人の大半は、何らかの原因やきっかけによって、倫理や道徳という自制のタガが外れてしまい、不倫の恋に落ちてしまうのです。

そのため、事案の解決のためには、不倫された方も不倫した方も、初期の段階で、きちんと、自分と相手の心理状態や置かれた立場などを理解・分析し、必要に応じて、カウンセリングやメンタルケア、および心理学的要因などを考慮しての適切な対処方法を検討・選択することが、とても重要になります。

不倫に走る環境的要因

不倫に走る環境的な要因としては、以下のようなものがあります。


景気と離婚件数の相関

データ

少し古いデータですが、厚生労働省が公表した統計によると、景気と離婚件数には相当な相関関係があります。
不倫自体は、秘密裏の関係であり、離婚のように戸籍上の統計を確認することが出来ないため、直接的に不倫との相関を示すものではありませんが、離婚原因の順位は、常に「配偶者の異性関係」が2位〜3位のあたりを、ほぼ一定で推移しており、1位の「性格の不一致」も不倫が発覚しないまま離婚に至った事案が多く見込まれることから、景気と不倫には、相関関係があると考えて良いかと思います。


景気と離婚件数の推移


男女の収入と不倫の発生率

データ

アメリカのコーネル大学が行った調査によると、女性の方が男性より収入が多い家庭の男性は、男女同等の収入の家庭より、浮気する率が5倍以上あった。
反面、男性が家計を支える家庭の女性は、男女同等の収入の家庭より、浮気する率が半分以下。
収入のほとんどを男性が稼いでいる場合、女性が浮気をする割合はほとんど無しとの結果でした。



不倫に走る時期的要因

不倫に発展する引き金となる、時期的な要因としては、以下のようなものがあります。


男性が不倫に走る3大時期

男性

  1. 結婚直後〜1年以内…生活が大きく変わり、時間的経済的な制約・制限が生じた時期
  2. 妻の妊娠〜出産前後…性的な抑制を余儀なくされ、妻の情緒不安定なども重なる時期
  3. 仕事上の変動が生じた時期…転職や部署異動・配置転換、独立、などのストレス・ピーク時

女性が不倫に走る3大時期

女性

  1. 年齢が27歳〜29歳、37歳〜39歳、等の、年代が変わる直前の時期
  2. 夫(彼氏)が多忙、又は単身赴任や長距離恋愛、子どもが独立した等、家庭での交流が希薄な時期
  3. 失恋や離婚の直後であるなど、ショックを引きずっている時期


不倫に走る出会い的要因

不倫に発展する出会い的な要因としては、以下のようなものがあります。


不倫に発展する出会いのきっかけ

出会い

男性・女性とも共通して、不倫に発展する出会いのきっかけとして多いものは「職場」ですが、最近では、SNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)などインターネットによるものも増えています。

仕事や趣味、家庭環境、不平不満、その他、一定の共通する目的や価値観、感情、などから波長が合い、会話がはずみ、不倫に発展する、ということが大半です。


  • 社内不倫
  • 飲食店やコンビニ等のアルバイト
  • 会社の従業員と取引先や顧客
  • キャバクラ嬢や風俗嬢と客
  • SNS(フェイスブックやツイッター、ミクシイ、等)
  • ゲームサイト、コミュニティサイト
  • お見合系サイト
  • 出会系サイト
  • PTAでの親同士
  • 子供の習い事における親同士や指導者と親
  • 学校や塾の教師と親
  • 同窓会での元彼・元カノとの再会
  • 結婚式の2次会
  • 飲食店での常連同士
  • 病院の医師や看護婦と患者
  • その他



不倫に走る心理的要因

不倫に走る原因として、もちろん、性的欲求が根本にあることは否めません。
しかし、人間というものは、必ずしも、本能的な欲求だけで行動する訳ではありません。
本能的な欲求のみで行動するのであれば、不倫よりも性犯罪に走る方が自然ですし、生物学的な本能だけでは、自らの危険を顧みずに人命救助したり、自殺してしまうことについては、説明がつかないのです。
当然ながら、人は、お金が欲しいからといって必ずしも泥棒をする訳ではありませんし、殺したいくらい憎い人がいるからといって、必ずしも殺人を犯すわけでもありません。


アメリカの結婚カウンセラー ゲイリー・ニューマン氏が200名を対象に行った不倫に関する調査によると、あくまでも既婚男性のみを対象とした調査ですが、性的な欲求不満が主な原因で浮気に走った男性はわずか8%で、およそ半数の48%は、主に“気持ちが満たされない”ことが原因で浮気に走ったという結果が出ています。
また、不倫相手の容姿が妻よりも良いと回答したのは、わずか12%しかいませんでした。


当然、愛する人を悲しませたくないとか、幸せな関係を壊したくない、ということが、不倫への大きなブレーキになっていることは、予想に難くありません。
つまり、大半の場合、必ずしも性的欲求のみで不倫に走るものでは無い、ということです。
もちろん、どのような事情があったとしても不倫自体は許されるものではありませんし、不倫された被害者が、自分の愛情が足りなかったからであるなどと、自分を責める必要はありません。


不倫に走る心理的な要因

不倫に走る心理的な要因としては、以下のようなものがあります。


  • 寂しさを募らせて、優しさや温もりを求めてしまう
  • 家庭や仕事などにおいて過度のストレスがかかり、気持ちを満たすために不倫に走る
  • その場の雰囲気に流されたり、誘いを断ることが出来ずに一線を超えてしまう
  • 性的な衝動への自制が出来ない性的依存症
  • 恋愛のドキドキ感を求めてしまう恋愛依存症
  • 愛情に渇望しており、常に見捨てられる恐怖を抱えているために予備を確保しようとする
  • 夫婦間の意思疎通が上手くいかず、溜まった不満が爆発して不倫に走る
  • 自分自身の存在価値や性的魅力を否定されている恐怖から自己確認のために不倫に走る